#生物学

シタムシ類について

シタムシtongue-wormという寄生虫がいます。脊椎動物の体内に内部寄生し、宿主としてはイヌ、ネコ、キツネ、ヤギ、ウマなどのほ乳類、ヘビ、ワニ、トカゲ、カメなどの爬虫類や、鳥類などが知られるようです。 「五口動物」あるいは「舌形動物」と呼ばれる分…

オクロセテラ・グラキリス(シャア専用か!?)

永くプランクトン分析業務に従事していると、図鑑に出ていないコペに出くわす機会も少なくありません。 ここに示したコペ、Oculosetella gracilis (Dana, 1849)ではないかと思います。 (体節が(頭胸節含め)10節で、第1触角が把握用なので、オスと思います…

カラヌス・ヤシノビ

本日、『日本海洋学会海洋生物学研究集会 第一回シンポジウム』in東京海洋大学@品川に出席してきました。 たまにこういう場に足を運ぶと、日常使っていない部分の脳みそが活性されるような気がします。(気がするだけなのですが、、、) おまけに講演むつか…

日本産トゲウミノミ類について

Primno abyssalis (Bowman, 1968) キタトゲウミノミと思います。 トゲウミノミ属Primno Guérin-Méneville, 1836は世界から6種が知られます(WoRMS)。 [WoRMSのサイトに「Japanese?トゲウミノミ」と日本語カタカナ表記があるのが面白い。ほかにもこういっ…

ヤドカリノハラヤドリ(ん?)

昨年の日本甲殻類学会で知り合ったH林さんから、「飼育していていた深海産のヤドカリが死んだので、貝殻から取り出したら腹部にヤドリムシが付いていた」という趣旨の問い合わせを受けました。 写真も拝見しましたが、まだ勉強不足で、この情報だけで同定す…

ミナミクモガニ 【甲殻類備忘録2】

甲殻類備忘録2 ダイバーさんの間で“オランウータンクラブ”と呼ばれるカニがいます。 ほかの図鑑では“クモガニ属の1種”として紹介されているそうです。 割と広い範囲で見られるカニのようですが、このうち八丈島産の標本について分類学的検討がなされました(…

旧クルマエビ属各属の和名 【甲殻類備忘録1】

最近読んだ論文の記事を、忘れないようにメモっときます。 甲殻類備忘録1 かって、クルマエビの属していたクルマエビ属Penaeus sensu lato(sensu latoは広義のの意味)は、6亜属に分類されていましたが、Pérez Farfante & Kensley (1997)によって属に昇格…

9-10月かれんだー

いやはや。 (もはや何も言うまい、、、orz) カレンダーあっぷしときます。 基本体形を逸脱したカイアシ類で、なんかすごく魅力あります。 この2種、発生様式がかなり独特で、興味が尽きません。

ホシノノカンザシとシンノカンザシ(text only)

知人のファンダイバー“J”女史から質問を受けました。 「ホシノノカンザシとシンノカンザシってよく似ているのですが、同じ種類じゃないのですか?」 よく似ているとはどこを見ているのでしょうか? ということで、この2種の違いを調べてみようと思いました。…

ショウサイフグと謎のウオノエ

知人からウオノエの標本を預かりました。 頭部先端が丸っこくて、後端はゆるく弧を描き、ちょっと愛らしいです。 写真では暗ったくてわかりにくいですが、胸脚は6対しかなく、マンカ幼体のようです。 3個体預かりましたが、どれも同じサイズです。 このウオ…

ハナガタムシ

ハナガタムシAnthosoma crassum (Abildgaard, 1794)です。 サメ類の寄生虫です。カイアシ類です。 学生のころ、初めて図鑑で見てから、その奇抜な造形にすっかり魅せられ、見たくて見たくてたまらなかった寄生虫です。 図鑑には強大な第2触角が描かれていま…

寄生性甲殻類写真集!

皆さま、 非常に非常に興味深い写真集が発刊されるそうです。 著名『海の寄生・共生生物図鑑 海を支える小さなモンスター』 水族寄生虫界のドン、長澤教授が監修されています。 全国の書店店頭に並ぶそうです。(発行日は7月20日だそうです) たのしみたのし…

モミジガイシダムシ

モミジガイシダムシです。 なんかはばたいてます。(使途みたい!?) 記事は追って加筆します。(謝) ­~・●・~ ~・●・~ ~・●・~ ~・●・~ ~・●・~ ~・●・~ <2016.6.7加筆> Dendrogasterastropectinis (Yosii, 1931) モミジガイシダムシです。 シダムシは…

シムランスのヤドリムシ

フィコカリス・シムランスPhycocaris simulans Kemp, 1916というエビがいます。 モエビ科の1種で、和名は無いようです。 (写真はcalappaさんのブログから借用いたしました。感謝々々です) http://urumacalappa.blog.fc2.com/?q=%E3%82%B7%E3%83%A0%E3%83%A…

シダムシ・ノート(謹賀新年)

謹賀新年 皆さま、明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 さて、 寄生性甲殻類を調査していると、そういった研究家が珍しいのか、けっこう面白い問い合わせをうけることがあります。 昨年の『日本甲殻類学会第53回大会in東京海…

めりくり~~!

みなさまメリクリ~~~~ 今年はどんな一年でしたか? Nob!!は、まぁ、そこそこの一年でしたよ。 やりきれなかったこともありますが、まぁ、それも込みでそこそこでした。 来年も、「まぁ、そこそこだったネ」といえるような一年になるようにがんばりたいと…

サッパヤドリムシ

FB友のM女史からサッパSardinella zunasi (Bleeker, 1854)の頭部についていた寄生虫をいただきました。 サッパヤドリムシAnilocra clupei Williams & Williams,1986と思います。和名「サッパヤドリムシ」は原記載論文中で命名されているそうです。 釣獲され…

メダマイカリムシきたぁ~~~~

先日Y様からお送りいただいた冷凍標本のうち、ヤリヌメリのメダマイカリムシ類のみ観察しました。お昼休みの40分で。というのも、じつはこの魚のみ職場でクレームついてしまって、、、 こんな貴重な標本なのに、みんなわかってないなぁ メダマイカリムシ類は…

こどもの日ぃ~

こどもの日ぃ~ 昨年は田んぼ調査で結構アクティブでしたが、今年のGWはかなりインドアです。 今、ある深海魚に寄生していたウオノエの調査をしておりまする。(屋内の作業デス) 写真は瀬戸内海の底質調査の標本中から見出しました。 寄生性の甲殻類ではな…

ヒジキムシ目録(キター!!)

先日、Nagasawa先生から大著の別刷pdfをいただきました。ありがとうございました。 これは驚愕です!! 日本産ペンネラ科Pennellidaeカイアシ類14属45種と未同定種(9種)に関するチェックリストを公表されたのです。 14属には全てに和名が新称され、 45種の…

メナガグソクムシ

今朝ブログちぇっくしたら、「小笠原ホエールウォッチング協会」の研究員O様からコメントをいただいていました。 「はじめまして。 今日(2015.2.18)、地元の漁師さんから、魚の臀ヒレに付着した グソクムシの一種と思われる生物が持ちこまれました。 種類…

ノドクロのエ(なんちって)【バリューセット報告その1】

先日、“名前の言えないM様@陽気なブォルデモート卿”から、「魅惑の深海寄生虫バァリューセット!」いただきました(2015/1/20(火))。M様、感謝です。 http://blogs.yahoo.co.jp/yevicanidaisuki/34253714.html このセットは、熊野灘産等脚類詰め合わせで、5…

魅惑の深海寄生虫ヴァリューセット!

“名前の言えないM様@陽気なブォルデモート卿”から、魅惑の深海寄生虫ヴァリューセット!いただきました。 M様、感謝々々です。 熊野灘産等脚類詰め合わせですよ! (漢字にするとイカツイな) これからちょびちょびと観察しますとも!

グソクムシの1種(くまの灘産)

【命名 ブユの眼グソクムシ(笑)】 ← 愛が無いか? 先日の飲み会で、“名前の言えないM様@陽気なブォルデモート卿”からグソクムシ標本をお預かりいたしました。眼が立派すぎます! 依頼主による記録はこんな感じ(↓) http://www.aquarium.co.jp/diary/arch…

投稿論文の査読結果来ました・大涙

カイエビ論文の査読結果来ました。(やも様見てますか?) 大幅修正を求められました。 正直ここまで厳しいとは思いませんでしたが、気合いれてがんばります! なお、査読結果は日本語(生物名とか地名とか)の混ざった英語の文章でした。査読者は日本人では…

メダマイカリムシについて

メダマイカリムシPhrixocephalus triangulus Wilson C.B., 1917という寄生性カイアシ類がいます。Googleで検索すると、約725件がヒットしました(2014.10.1)。 魚の眼に寄生する、非常にショッキングな生き物です。写真の左半分のつるんとした小豆様の部分…

Centropages dorsispinatus

仕事おわんねぇ~ って今は終わったけど! 昨日までの業務で、人生お初のカイアシ類を発見しました。 Centropages dorsispinatus Thompson I.C. & Scott A., 1903 です。 日本にはいない種です。この仕事、海外のサンプルが含まれていたようです。このシリ…

8月かれんだ~

さて、今月もいろいろとあって楽しい一ヶ月でしたよ! 体調不良で咳がぜんぜん止まらなかったり(6月中旬からですが)、 過剰に医者がよいして、ほんとにお医者さんにお世話になって感謝々々だったり、 原因のひとつがイネ科植物のアレルギーであることが特…

尖頭巾戎(トガリズキンウミノミ科の1種)

大学の先生を通じて、水産物に混入した甲殻類の同定依頼がまいりました。何事も経験と思い、お受けしましたが、なんと海外からの輸入水産物でした。 最初の依頼メールに添付してあった写真は、なんか頭がとんがったウオノエの幼体のような個体がわんさか写…

実験10日目!

<実験10日目> 抱卵メス3個体確認! テンションあがりっぱなしデス。 成熟個体が得られましたので、この標本を基に種同定いたします。甲長4.17mm。7日目標本からの成長率は17%増しってとこです。 さて、この実験いつまで続けるかな? 実はオスの標本が得…