これらはプランクトンサンプルからのものです。いっぱい入ってました(^O^)
どこで採ったものかはわかりませんが、カイアシ類がNeocalanus cristatus (Kroyer, 1848)とEucalanus bungii (Jhonson, 1939)が優占していたので、かなり北方の海域のようです。そして、時折アマモの葉が混ざっていたので、内湾域のようです。
●カニのゾエア(左)
なんと、ケガニErimacrus isenbeckii (Brandt, 1848) でした。こんなに大量に採れるとは!! めちゃくちゃいっぱいでした!
特徴;
・背甲は球形で、額棘、脊棘、一対の側棘の、計4棘を備える。
・腹部は第2・第3腹節に側突起を備える。
・第2~第4腹節後側縁は突起状に大きく張り出す。
・尾節は、大きく後方を向いた側棘を備え、小さな脊棘ももつ。
採集されていたゾエアは、どれも腹肢原基が発達していて、最終期のゾエアのようでした。
●異尾類のゾエア(右)
ということは、もしかして異尾類のほうはタラバガニParalithodes camtschaticus (Tilesius, 1815)? って期待しましたが、こちらはホンヤドカリ属Pagurus でした。
特徴;
・背甲は長三角形で、後側縁は突起状に突出する。
・第3顎脚には、第1期ゾエアでは内肢原基がない。
・尾節に肛門棘を備える(これ重要!)
いろんな成長段階のゾエアがとれてました。こっちも結構いたけど、この海域ってことはオホーツクホンヤドカリPagurus ochotensis Branst, 1851 なのかな?
[参考文献]
1)小西光一.1997.節足動物門(幼生).In千原光雄・村野正昭編,日本産海洋プランクトン検索図説.pp.1439-1479.東海大学出版会,東京.
2)小西光一・鹿谷法一.2000.日本産有用カニ類幼生の検索 III:短異尾下目.養殖研報,30:39-54.