みなさまあけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ところで写真は
タラノシラミRocinela maculata Schioedte & Meinert, 1879と思います。
(季節柄とは一切関係ございません)
懇意にさせていただいている水族館の飼育研究員MH女史から、昨年秋の学会で「Nob!!さんこういうの好きなんでしょ」と言われていただきました。
2019年6月26日、岩手沖(水深0-60m)の定置網で漁獲された、キアンコウLophius litulon (Jordan, 1902)約15個体(TL 40~50㎝)の体表や口内に多数寄生していて、水族館搬入後に泳ぎだして気が付いたそうです。2個体のみ標本にされていて、これをお譲りいただきました。(たくさんいたならもっと欲しかった!)
図鑑によれば、「太平洋・日本海の50~60mの海底にすみ,タラその他の魚類の体表に着生.グリンランド・シベリア沿岸にも分布」とあります。冷水種のような印象ですが、手許の資料を見ると、太平洋岸では駿河湾でも記録があるようです。
ウオノエの仲間と思われていたようですが、科としてはグソクムシの仲間です。(わざわざ気にかけていたくらいですから、キアンコウからの発見は珍しいことだったのでしょうか? 今度聞いてみます)
これから解剖観察などして詳細を調べ、堪能させていただきます。感謝々々!!
<主な掲載図鑑等>
岩佐[旧日動], 1957, p. 815, fig. 2347 (太平洋及び日本海の50~650mの深さより発見され,鱈等の魚類外部に付着すること多し).
椎野[新日動], 1965, p. 543, no.723 (太平洋・日本海の50~60mの海底にすみ,タラその他の魚類の体表に着生.グリンランド・シベリア沿岸にも分布).
西村[学水動], 1981, pp.97 & 266 (北日本・北太平洋・北大西洋.マダラ,その他の海産魚類の体表に付着).
布村[検日海], 1995, p. 221, fig. 21-201H (日本海・北太平洋の20m以深の海底に棲み,タラなどの魚類に寄生).