「エビと日本人」その後

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「エビと日本人」という本があります。
かなり興味深い本で、勉強になります。
日本人ひとり当たり、年間70匹のエビフライを食べるなんていう試算が載っています(この本のメダマ!)。

この中に、1955年から1986年までの国内のエビの生産、輸入、消費動向をグラフに示したモノがあります。国内生産量は横ばいであるものの、輸入量、消費量は右肩上がりで、「この先どうなるのだろう」という興味がかき立てられていました。

そこで、数年前から、図書館に通って統計書をひもとき、このグラフのその後のデータを集めて図を引き延ばしました。それがこの図。データのつぎはぎなので、精密なモノではありませんが、大まかな傾向をとらえるには充分なのではないかと思います。

いちおう2000年まで調べました。国内消費は94年をトップに下降に転じていました。

2000年の国内生産量は3万2千トン、輸入量は約25万トン(生産量の7.7倍)でした。
なお、FAO yearbookによれば2000年の世界のエビ漁獲量は131万トンなので、世界のエビの2割が日本で消費されていることになります。


また、この図を見るに当たっての時代背景的なトピックスは以下の通り;
●エビの輸入は1961年に自由化される
●1960年625トンだったエビの輸入量は1994年に最高30万5926トンに達した
●1986年12月から1991年2月までの4年3ヶ月間(51ヶ月間)がいわゆる「バブル景気」といわれる
●国内生産量は1960年代後半まで7~8万トンの水準だったが、以後昇降を繰りかえしながらも下降傾向となり、2000年には3万2402トンとなった


なお、この図を書いたの昨年なのですが(ファイル更新日080607)、その後すぐに「エビと日本人2」っていう続編が刊行されました。

少し待ってればよかったのに... でも自分で調べてみなければわからない、統計書の読み方、データの集め方の勉強にはなりました。






[参考文献]
1)村井吉敬.1988.エビと日本人.pp.222.岩波書店,東京.