オオシマヒゲナガスナホリムシ

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本日仕事始め!
今年もバリバリ仕事しますヨ!!
 
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写真、
オオシマヒゲナガスナホリムシ Eurydice nunomurai Saito, 2012 といいます。
 
伊豆大島の北東部、水深35mの砂底域から発見された標本に基づき、去年の暮れに新種として発表された等脚類です。体長6.68mmとかわいらしいサイズです。
 
学名のnunomuraiは、日本の等脚類研究者の布村昇先生に献名されています。
また、Eurydice属には「ナギサスナホリムシ属」という和名があり、この仲間には干潟や砂浜海岸に沢山生息する種類が多いですが、今回の種類は潮下帯からの発見であり、混乱をさけるためにあえてこの属の和名を使わなかったようです。
 
この標本はムチカラマツという刺胞動物の体表から採集されました。しかし、このグループはすべて自由生活性で、この等脚類にも寄生・共生的な形質がなかったため、この付着は偶然ではないかと考えられています。
 
今回の発見は、地元のダイバーさんによるものです。ダイバーさんと研究者のコラボによって解明された海洋生物の新知見です。こういったケースは魚類の研究や一部十脚甲殻類の研究でも盛んに行われているようですが、ほとんどの無脊椎動物では、こういった未解明の海洋生物の謎は山積です。今後もこういった研究が進められていくことをNob!!は心待ちにしております。
 
 
[参考文献]
Saito, N.  2012.  A new species of cirolanid isopod, Eurydice nunomurai (Crustacea) from Izu-Ohshima Island, Sagami Sea, Pacific coast of central Japan.  Crustacean Research, 41: 19-25.