アカホシカクレノコシヤドリ

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 Hossyさんから、興味深いエビの標本を送って頂きました。
 アカホシカクレエビAncylomenes speciosus (Okuno, 2004)です。シマキッカイソギンチャクなどの刺胞動物と共生します。
 
 共生エビで、しかも色彩鮮やかだから興味深いかというと、そうではなくて、第腹節背面に異物(ムシ?)の侵入によるコブの形成がみられます。異物は前半がエビの第1腹節内に進入し、後半はエビから露出しているようです。
 このムシ様異物の正体が気になります。患部を切開して取り出し、詳しく観察せねばなりません。今からワクワクします(ふっ、ふっ、ふっ、、、)
 
 エビはHossyさんのフィールドで、1週間の期間に21個体が観察されましたが、コブツキは2個体のみだったそうです。2個体ともサンプルとして送られてきております(2個あると、解剖時にかなり気が楽です)。
 
詳細は追って加筆します。
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2015.10.26加筆>
 
日本甲殻類学会の学会誌Crustacean Researchwebサイトに、この寄生虫に関する論文が掲載されました。
 
 アカホシカクレノコシヤドリIzuohshimaphryxus hoshinoi Saito, 2015という、アカホシカクレエビの腹部背面に寄生する新種のエビヤドリムシで、腹部背面寄生種として世界で3番目の発見だそうです。
 
 伊豆大島から発見ですが、他のダイビングポイントからの目撃情報もあり、今後の研究の発展が期待されます。
 
 
<論文>

Saito, N., 2015.  A new hemiarthrine bopyrid, Izuohshimaphryxushoshinoi (Crustacea: Isopoda) from Izu-Ohshima Island, Sagami Sea, Pacificcoast of central Japan. Crustacean Research, 44: 67–73.