最近読んだ論文の記事を、忘れないようにメモっときます。
甲殻類備忘録1
かって、クルマエビの属していたクルマエビ属Penaeus sensu lato(sensu latoは広義のの意味)は、6亜属に分類されていましたが、Pérez Farfante & Kensley (1997)によって属に昇格されています。昇格されて20年近くたちますが、日本国内ではこの分類が定着されている感じはまったくありません。
これら6属は通関や貿易などの分野では世界的には浸透しているそうです。日本、出遅れています。
そんな状況を鑑み、阪地・奥村(2016)は、これら6属に和名を提唱しました。なので、これ、この学会誌でしか見られないので、忘れないようにブログに紹介させていただきます。広く普及されることを期待します。
*Genus FarfantepenaeusBurukovsky, 1997 アステカエビ属
Genus FenneropenaeusPérez Farfante, 1969 インドエビ属
*Genus LitopenaeusPérez Farfante, 1969 バナメイエビ属
Genus MarsupenaeusTirmizi, 1971 クルマエビ属
Genus MelicertusRafinesque, 1814 フトミゾエビ属
Genus PenaeusFabricius, 1798 sensu stricto ウシエビ属
このうちの2属(*)は日本には分布しないエビですが、水産上重要なエビが含まれるので、和名を提唱したそうです。もちろん、6属すべて水産上重要なエビ類です。
なお、Penaeus属は広義では「クルマエビ属」ですが、狭義には「ウシエビ属」となります。そしてクルマエビ属は狭義にはMarsupenaeus属となります。やはりややこしいし、混乱は免れないですかね。
そして、WoRMS(ネット上のデータベース)はこれら6属を認めてなく、Penaeus sensu lato属のシノニムに位置付けられています。なんでじゃ?
<引用文献>
Pérez Farfante, I. & Kensley, B. 1997. Penaeoid and sergestoid shrimps and prawns ofthe world. Keys and diagnoses for the families and genera. Mémoires du MuséumNational d’Histoire naturelle. 175: 1-233.