マンマルウオノエ 【甲殻類備忘録】

Netさまよっていて、文献にたどり着きました。(石森ほか, 2013
山内先生の論文で引用されていて、タイトルは知っていたのですが、非常に興味深い内容でした。
 
ヤマトミズンAmblygaster leiogaster (Valenciennes,1847)とホシヤマトミズンA. sirm (Walbaum, 1792)という一見イワシ類のように見えるニシン科魚類の分類学的整理についての論文なのですが、
 
そのように、人の目ではわかりにくい魚でも、寄生虫は宿主をちゃんと選べるのですね、、、
 
 
鰓腔寄生性のマンマルウオノエRyukyua globose Williams &Bunkley-Williams, 1994(ウオノエ科)は、この論文の調査ではホシヤマトミズンへのみ寄生し(寄生率85%)、ヤマトミズンへの寄生は皆無だったそうです。調査魚もそれぞれ、117個体と128個体で、十分な数を見られています。
 
この2魚種は、混成群をつくって生息していると考えられ、どちらも普通に漁獲され、食用や釣り餌に用いられます。
MI博士が昨年沖縄出張の際、スーパーで見かけたときは、切り身のパックが256円(税抜き、内容量355g)で売られていたそうです。沖縄ではこの2種は区別されずに、「読谷いわし」あるいは「みじゅん」という品名で流通しているそうです。
 
こういった、近縁の魚が混生しながらも、寄生虫は宿主をきっちり選択できるって、なんかロマンを感じます。Nob!!はそういったロマンチストな一面もあるのです。
 
今年もロマンをもとめてレッツゴー!!(ってもう2月かぁ~)
 
 
 
<文献>
石森博雄・上野大輔・吉野哲夫.2013琉球列島におけるヤマトミズンとホシヤマトミズン(ニシン目:ニシン科)の判別とマンマルウオノエ(新称)(等脚目:ウオノエ科)の寄生状況.魚類学雑誌,60(2)81-89