ペッタンココユビピンノ

先週の金曜日(1/19)のお昼休み、ネットみてたら新種のカニのニュースがありました。
 
和名「ペッタンココユビピンノ」
 
東京・小笠原諸島の聟島(むこじま)列島沖で、共生するゴカイ(フサゴカイ)の巣穴に合わせ甲羅が押しつぶされたような新種のカニを発見という内容で、新聞に取り上げられていたようです。
 職場の同僚とかパートさんからも話題をふられました。
 
発見者はお茶の水女子大学 湾岸生物教育研究センターの吉田隆太先生とあり、永く琉球大でフクロムシの研究をされていた方でした。2009年に国際学会でご挨拶し、それ以降も何度かお話を伺ったことのある若い先生です。
 
記事には和名しかなく、何という学名なのか気になって調べました。
新聞記事などはスペースが限られるし、一般の読者さんも感心無いから学名なんて取り扱わないのでしょうね。
 
まず「コユビピンノ科」というのを知らなかったのでググったら、小西(2010)でAphanodactylidaeに用いられている和名でした。もう8年も前の論文で、しかも読んだことのある論文でした(><
 
つづいて、「Aphanodactylidae」「Yoshida」でググり、Naruse & Yoshida (2017)であることが判明、
ペッタンココユビピンノの学名はTakedactylus compressus Naruse & Yoshida, 2017であることがわかりました。
 
ちなみに、この論文には日本産コユビピンノ科のもう1種として、
カイシャコユビピンノLichtylus kaisha Naruse & Yoshida, 2017も記載されています。
 
内容はよく読んでから追って加筆します。
 
 
【引用文献】
小西光一.2010.カクレガニ類の話題:その後の状況.Cancer1931-38

Naruse, T., & Yoshida, R., 2017. Two new species ofAphanodactylidae (Crustacea: Decapoda: Brachyura) from the Ryukyu and OgasawaraIslands, Japan, with the establishment of anew genus. Tropical Zoology, 301-12.