注意)示した写真は、Huang et al.(2018)のFig.5から転載しました。
今日、netチェックしていたら、興味深い論文を発見いたしました。
台南大学のHuang, Ming-Chih(黄銘志)先生、日本の齋藤暢宏氏、下村通誉博士による論文です(Huang et al., 2018)。
台湾産のサクラエビLucensosergia lucens (Hansen, 1922)からHolophryxus fusiformis Shiino, 1937というアミヤドリムシ類の寄生が発見されたというものです。
今回の論文では、台湾のYilan(宜蘭)という漁場から得られた標本について調査されていて、2017年の漁期には寄生率は約1%だったとのことです。
1937年の論文では駿河湾では「Many specimens were hound parasitic on the dorsal side of the carapace of Sergestes prehensilis Sp. Bate」(Shiino, 1937)と書かれていて、サクラエビから多くの個体が得られたことがうかがえますが、現在では寄生率0.01%以下と書かれています。台湾の寄生率が上がれば、黒潮に乗って日本に移入するのではないかと、論文上で危惧されています。
<引用文献>
Huang, M.-C., Saito, N., & Shimomura, M., 2018. First record of Holophryxus fusiformis Shiino, 1937 (Crustacea, Isopoda, Dajidae) from the sakurashrimp, Lucensosergia lucens, inTaiwan. Crustacean Research, 47: 45-53.
Shiino, S.M., 1937. Holophryxus fusiformis, a new species of Dajidae, Epicaridea. Annotationes Zoologicae Japonenses, 16(3): 188-192.
Vereshchaka, A. L., Olesen, J., Lunina, A.A., 2014. Global diversity and phylogeny of pelagic shrimps of the former genera Sergestes and Sergia (Crustacea, Dendrobranchiata, Sergestidae),with definition of eight new genera. PLoS ONE. 9(11): e112057., availableonline at https://doi.org/10.1371/journal.pone.0112057
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[2018.7.4加筆]
新聞記事としてリリースしてあったようです。
『自由時報』
台湾の新聞なのでしょうか?
アップは2018-07-03 13:30のようです。
記事、中国語なので詳細には読めませんが、どうやら漁業者の間では、10年前から気になっていたようですね。
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[2018.7.13加筆]
なんでも、7/3-4の間に、21誌もの新聞に記事がリリースされたそうです(全部台湾の新聞ですかね?)。