モロトゲアカエビ

イメージ 1

モロトゲアカエビ
Pandalopsis japonica Balss, 1914

市場では「しまえび」って呼ばれるのかな?
縞模様の美しいエビです。購入してから撮影まで時間がたってしまったので、かなり黒づんでます。トホホ...

写真の個体は標本にしたけど、のこり(何個だったかな?)は家族で食べました。9月の築地土曜会(ぼうずコンニャク主催)で購入しました。
ぷりぷりしていておいしかった。頭は全部標本。


モロトゲエビ属Pandalopsisの1種で、縞模様の独特な色彩が特徴ですが、形態的には、額角上縁のほぼ全域に歯があり(歯数は20~22、うち7~8は頭胸甲上にあり、最後方の歯は頭胸甲中央に位置)、額角下縁の最後方の歯はその前の歯より大きい(歯数は9~13)、尾節上縁にある棘が多い(6~9対)などの特徴がある。
生時の色彩は赤色が地で、幅の狭い波打った多数の白色や黄白色の帯が頭胸甲から腹節、尾肢にかけて走る。体のほぼ中央を走る白色帯が幅広くて目立つ。額角の先端、第1・第2触角鞭状部は白色。胸脚は全体に薄い赤色。後方3対の胸脚(第3~第5胸脚)の指節と前節の先端部は赤色が濃く、長節にも濃い赤色の帯がある。

抱卵数は450~500粒、卵径は1.8~2.0×2.3~2.9mm。タラバエビ属のエビ(たとえばホッコクアカエビPandalus eous Makarov, 1935など)と比べると、卵数は1/4で、卵径は2倍程度。大卵少産である。

孵化幼生は頭胸甲長2.3mmと大きく、底生性で、3期を経て稚エビとなる。


他のタラバエビ類と同様、雄性先熟雌雄同体である。生後まず雄として成熟し、その後成長し続け3年目の後半から4年目には雌に性転換する。


樺太沖から、日本海側の北海道沖から隠岐諸島、韓国からも知られ、北海道東部沖の太平洋にも分布。日本海側では水深64~500mに生息。


掲載図鑑;
久保伊津男[新日本動物図鑑(中)], 1965, p.610, No.955.
三宅貞祥[学研生物図鑑水生動物], 1981, p.100, 321.
武田正倫[原色甲殻類検索図鑑], 1982, p.19, No.55.
三宅貞祥[原色日本大型甲殻類図鑑(機法, 1982, p.65, pl.22, No.1.
峯水 亮[海の甲殻類], 2000, p.109.
林 健一[日本産エビ類の分類と生態(157)], 2008, p.61, figs.550c,551e,f,552i-l.

幼生:村岡・小西[日本産十脚甲殻類幼生の文献目録], 1995, p.262, no.49 [Z1-4, D].

このほかの参考文献
1)Komai, T. 1994. Deep-sea shripms of the genus Pandalopsis (Decapoda: Caridea: Pandalidae) from the Pacific coast of eastern Hokkaido, Japan, with the description of two new species. Journal of Crustacean Biology, 14: 538-559.