ぼうずコンニャク氏の画像掲示板「魚貝類なんでも相談室」でkumikoさんからエボシガイについて質問を受けました。
http://lophius.bbs.fc2.com/
ガザミの腹側縁辺に付いていたとのことです。
投稿日が2008/10/28 (Tue) なので、採集されたのはこの前数日の間と考えていいのでしょうか?
これはアブミウスエボシOctolasmis nierstraszi (Hoek)という種類ではないかと思います。
ウスエボシガイ属については倉持卓司さんの報告があり、相模湾からは
ウスエボシOctolasmis orthogonia (Darwin, 1851)
オオウスエボシOctolasmis weberi (Hoek, 1907)
ヤナギウスエボシOctolasmis weberi pennatulae Hiro
エラエボシOctolasmis aymonini (Lessona & Tapparone-Canefri)
の4種(正確には3種と1亜種)が報告されています。
http://nh.kanagawa-museum.jp/kenkyu/nhr/29/185186_kuramoti.pdf
アブミウスエボシはこれまで相模湾からの報告がなく、貴重な発見だと思われます。
また、「通常海底の有被ヒドロ虫類に付着する。稀にフジツボ、角珊瑚などに着生する」とされ、ガザミについていたという点でも、珍しい事例なのかもしれません。
標本が残っていたら欲しいなぁ~ (^_^)v
写真はkumikoさんによるものです。転載の許可をいただきましたので、示させていただきます。
参考文献
1)弘 冨士夫.1937.完胸目,機ネ柄蔓脚類,甲殻綱,蔓脚亜綱.日本動物分類,第九巻,第一編,第五号.三省堂,東京.pp.116,82 figs.
2)倉持卓司.2008.相模湾で採集されたオオウスエボシ(蔓脚目:ヒメエボシガイ科).神奈川自然誌資料,29:185-186.
参考サイト
http://blogs.yahoo.co.jp/haginohana/46801753.html