2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

砂のすきまの生きものたち

先日(2008/11/15)、神田神保町の鳥海書房で、古書「砂のすきまの生きものたち」を購入しました。 この本は大学時代は図書館でいつでも閲覧できたものだが、卒業後、どこを探しても見つからなかった、私にとってまぼろしの、あこがれの書籍です。 間隙生物…

タカアシガニ

学名Macrocheira kaempferi (Temminck, 1836)。 いわずと知れた、世界最大の節足動物です。脚を広げると3~4mくらいになるといわれます。ギネスブックには5.79mの記録があるとか。甲長は30cmを超えるくらいに成長します。オスはメスに比べて大型で、またハ…

ミジンコってなに?

ミジンコって、水の中でピコピコとうごめくプランクトンです。彼らもれっきとした甲殻類の仲間です。 ミジンコを初めてみたのは、小学校か中学校の理科の教科書で、それ以来の大ファンです。 分類的には、枝角類(一般的なミジンコ)、カイアシ類(ケンミジ…

シラスに混ざる生物、特に甲殻類幼生について

【はじめに】 魚屋やスーパーマーケットの店頭で見かけるシラスパック、よく見るとシラスに混ざって様々な生物がみられます。魚の子や小さなイカ、貝やエビ・カニなど様々です。 シラスは漁業者の方々が網を使って海から穫ります。魚群探知機を使ってシラス…

アオアジのエ

ぼうずコンニャク氏の画像掲示板「魚貝類なんでも相談室」でisenokuromesdakaさんからアオアジに着くヤドリムシについて質問を受けました。 http://lophius.bbs.fc2.com/ 2008/09/07 (Sun) ~ 2008/09/30 (Tue)にかけて情報をいただきました 「ウオノエにつ…

分類体系

動物の分類は、下のイヌの例のように階層階級で体型づけられています。 こういった構造が人間の認識機能にマッチするのでしょう。というか人間の認識で生き物の分類体系を考えるからこうなったのか。 例)イヌの分類階級における種名の位置 分類階級 ───────…

アブミウスエボシ

ぼうずコンニャク氏の画像掲示板「魚貝類なんでも相談室」でkumikoさんからエボシガイについて質問を受けました。 http://lophius.bbs.fc2.com/ ガザミの腹側縁辺に付いていたとのことです。 投稿日が2008/10/28 (Tue) なので、採集されたのはこの前数日の間…

これまでの甲殻類

他人様のHP上で、今年(2008年)3月から、「今月の甲殻類」と称して、月一で甲殻類何か1種についてのカードを制作しています。キヌバリさんというかわいらしいおねえさんから。「やってやって!」とせがまれたから?(妄想が入ってるかな) http://lophius.b…

ヨアミ

6月の日本動物分類学会で村野先生に御高著を賜りました。 ヨアミ属Siriellaのモノグラフで、173ページの大論文です(厚みが1cm近くあります)。15新種を含む67種が掲載され、図は35枚に及びます。 このうち日本産の種類は29種(うち新種3)でした。 アミ類と…

日本産甲殻類

日本には何種類の甲殻類がいるのでしょうか? 以外にこの回答となる記述をみたことがありません。もしご存じの方が折られましたら是非ご教示ください。 日本分類学会連合が主体となって行われた「日本産生物種数調査」によれば、日本産甲殻類は5420種と報告…

モエビのヤドリムシ

ぼうずコンニャク氏の画像掲示板「魚貝類なんでも相談室」でuni2さんからモエビの鰓に着くヤドリムシについて質問を受けました。 http://lophius.bbs.fc2.com/ モエビは種名不明で、大阪湾で採れたそうです。 しかし、このヤドリムシの写真、非常に新鮮でき…

ブログはじめました(^o^)/~

あなたのヤドリムシ"Nob!!"と申します。 昨日(081119)からブログを始めました。全くの初心者です。 甲殻類研究家として、日頃思っていること、最近聞きかじったことなどをつづっていこうと考えています。 日本産甲殻類について、かれこれ20年くらい勉強し…

今月の甲殻類(2008年11月)

みなさま Nob!!です。 今月の甲殻類はヤドリムシです。エビノハラヤドリ Hemiarthrus abdominalis (Krøyer, 1840)といいます。日本近海ではハサミモエビEualus biunguis (Rathbun, 1902)(寄生率5.2~64.7%)やアシナガイバラモエビLebbeus longipes (Kobja…