この子は群馬県のある沼で採集したプランクトンサンプルの中で見つけました。
見つけた時は大興奮でした。
この沼はNob!!が高校時代に生物部の調査フィールドとしていたとこで、帰省時にひさしぶりに採集にいったのでした(へんなオタクみたいですネ←否定はしません;苦笑)
持ち帰り、サンプルを観察していて発見したのでした。うれしくて夢中で撮ったのがこの写真です。
鰓脚類のノープリウスだと思ったのでした(なおと君するどい!)。鰓脚類とは、ホウネンエビ、カブトエビ、カイエビ、ミジンコの仲間で、このうちミジンコ以外はノープリウスで孵化するんです。これらの絵が「動物系統分類学7(上)」に掲載されていて、それをみていたNob!!は、つい最近までそれだと信じ込んでいたのです。
昨日、机の整理をしていてこの写真を見つけました。なつかしさに浸っていましたが...ン?
これノープリウスか?
現在のNob!!の見解:
ミジンコ類のなにかの種の胎児(胚)が、採集・固定時のショックで母ミジンコからこぼれ落ちたモノのようです。
ほとんどのミジンコ類は背中の育房内に単為生殖卵を産み、ミニチュアミジンコにまで成長してから水中に泳ぎ出します。海産のウスカワミジンコPenilia avirostris Danaについて、卵から仔ミジンコになる過程が報告されています。この過程を「胚発生」といいますが、ウスカワミジンコでは12期が確認されていて、この写真はウスカワミジンコの第12期の形によく似ています。
ということで、water fleaさんと同じ見解なわけです(^_^)v
ちなみに、淡水プランクトンの中にはヒゲナガケンミジンコ類のノープリウスがいつでも豊富に含まれています(淡水産ノープリウスがめずらしいってワケではございませんm(__)m)。
[参考文献]
1)遠部 卓.1978.海産枝角類の生活史.日本プランクトン学会誌,25:41-54.
2)椎野季雄.1964.動物系統分類学7(上).節足動物(I),総説・甲殻類.3+312 pp.中山書店,東京.