コウミオオメミジンコ(海のミジンコ・その1)

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コウミオオメミジンコPodon polyphemoides (Leuckart, 1859)です。海産の枝角類、いわゆるミジンコです。
体長:♀0.2~0.6mm、♂0.4~0.7mm程度。ちっちゃい割りに、背中の球状の育房が肉厚で、顕微鏡写真の被写体としてはけっこう難しいヤツです。でも可愛い!!

枝角類、いわゆる狭義(?)のミジンコ類は、池や沼などの陸水域に繁栄していますが、なぜか海洋では盛んな種分化がおこらなかったみたいで、世界の海にたった8種類しかいないそうです。ただ、個々の種は世界的に分布する種類ばかりで、種としての「繁栄」には成功してるみたいですが。
このうち、日本近海からは7種が普通に分布します;

1. ウスカワミジンコPenilia avirostris Dana
2. ノルドマンエボシミジンコEvadne nordmanni Lovén, 1835
3. トゲエボシミジンコEvadne spinifera P.E.Müller, 1868
4. トゲナシエボシミジンコEvadne tergestina Claus, 1862
5. オオウミオオメミジンコPodon leuckarti G.O.Sars, 1861
6. コウミオオメミジンコPodon polyphemoides (Leuckart, 1859)
7. ウミオオメミジンコPodon schmackeri Poppe

日本近海からの記録のない種類はPodon intermedius Lilljeborgですが、「今のところ」って感じらしいです。