沖縄から2種のウオノエ類が報告されました!(Fujita, 2023)。
(やっぱ ウオノエはやってるのか?!)
ミナミウオノエCymothoa indica Schioedte and Meinert, 1884
体長8.2 mmの幼体が報告されています。宿主はヤクシマイワシAtherinomorus lacunosus (Forster 1801)(SL: 74.3 mm)の口腔。
この報告は本種の北限記録にもなるそうなので、当然日本初記録となります。
日本産何種目のウオノエだっけ? そろそろちゃんと整理しないと、、、 orz
宿主特異性は低いようで、ヤクシマイワシからは初記録ですが、これまでの宿主はMartinら(2016)にまとめられているそうです。
棘状刺毛の種内変異について触れていますが、そもそも幼体なので、DNA調べたからこそ種同定できたのでは? 幼体に本種、あるいは本属の特徴があったら記してほしいです(読み込めてないだけで書いてあるのかな?)
オキザヨリエラヌシMothocya collettei Bruce, 1986
体長13.5 mmの抱卵メスが報告されています。宿主はオキザヨリTylosurus crocodilus crocodilus (Péron & Lesueur 1821)の鰓腔。
この種はオキザヨリにけっこうよくつくようです。Nob!も以前知人からいただきました:
https://nobnob.hatenablog.jp/entry/33125753
『エビ・カニの疑問50』(日本甲殻類学会編, 2017)の口絵6左上の写真も本種ですね。
この論文では近縁種Mothocya affinis Hadfield, Bruce & Smit, 2015との違いが論じられています。
著者のHiroki Fujitaさん(京大に移られたのですね)は、ウオノエの研究に積極的にDNA分析を用い、論文をバンバン出されております。こういう方が活躍されている間は、Nob!!の活動は制限されてしまいますね。息切れされるのをじっと待ちます(苦笑)
論文もっとちゃんと読んだら、ブログ修正するかもです。悪しからず。
※このDiversityって学会誌、8月5日に投稿され、25日に受理され、27日に公開されたみたいです。驚異的ですね。
<文献>
Fujita, H., 2023. Morphological and molecular study of the fish parasitic crustaceans Cymothoa indica and Mothocya collettei (Isopoda: Cymothoidae), with new distribution records. Diversity, 15, 969.
Martin, M.B.; Bruce, N.L.; Nowak, B.F. Review of the fish-parasitic genus Cymothoa Fabricius, 1793 (Crustacea: Isopoda: Cymothoidae) from Australia. Zootaxa 2016, 4119, 1–72.