ソコシラエビ

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 オキエビ科のエビ類、ソコシラエビLeptochela (Leptochela) gracilis Stimpson, 1860と思います。
 Nob!!の経験では、東シナ海プランクトン試料中に比較的よくみます。(写真、ダメダメです。白い生き物ってかなり苦手(>_<))

 コエビ類は、第1・第2胸脚がハサミ脚になっていて(例外あり)、どちらかの脚が伸長する場合が多いのですが、オキエビ科では両ハサミ脚がほぼ同大で、形態も似ていることが特徴です。写真には1本欠けて、3つのハサミ脚しか写っていませんが、何れも同じ形、同じ大きさです。
 富山名産のシラエビもオキエビ科です。機会があったら確認してみてください。
 ちなみに、テッポウエビ科では第1胸脚のハサミ脚が、テナガエビ科では第2胸脚のハサミ脚が伸長します。

 「日本産海洋プランクトン検索図説」では、日本産ソコシラエビ属5種が掲載されていますが、この写真の種類は、
 第5腹節背面正中線が滑らかで凹凸がなく、後端が棘状に突出することからソコシラエビと同定できます。ですが、後端の突出(写真の▲)は図説の図ほど顕著ではなく、ちょっと気になっています。
 分布はインド・西太平洋。「全身透明で、固定すると白色になる」だそうです(涙)。


●主な掲載図鑑等;
久保伊津男[新日本動物図鑑(中)], 1965, p.605, No.932.
武田正倫[原色甲殻類検索図鑑], 1982, p.17, No.49.
林 健一[日本陸棚周辺の十脚甲殻類], 1986, p.95 & 258, no.54.
林 健一[日本産海洋プランクトン検索図説], 1997, p.1236, pl.15, no.41.
林 健一[日本産エビ類の分類と生態(52)], 1990, p.123, fig.182.
林 健一[日本産エビ類の分類と生態, II(1)], 2007, p.207, fig.84.