テングウミノミ科のクラゲノミ類です。
この体形のクラゲノミはプランクトンとして、結構普通に見かけます。数は多くありませんが。
今回、解剖して種類を調べました。
ツメウミノミTetrathyrus forcipatus Claus, 1879でした。
第1・第2胸脚が、前節後縁先端の突起と小さな指節(爪)とで、小さな擬鉗脚を形成します。本標本の第2胸脚の形は、「日本産海洋プランクトン検索図説」のp.1200左上の図によく一致します。この爪があまりにも小さいので、はじめ、「指節欠損?」って思いました。
体全体の図は、「新日本動物図鑑(中)」のp.576にあります。でも、全体図を見ただけでは、同科のテングウミノミPlatyscelus serratulus Stebbing, 1888や、タテウミノミ科のタテウミノミParascelus edwardsi Claus, 1879ともよく似ています。やはり解剖しないとよく分かりませんネ
○主な掲載図鑑など:
入江春彦[新日本動物図鑑(中)], 1965, p.576, No.842.
Vinogradov, et al. [Hyperiid Amphipods of the World Ocean], 1996, p.564(原露著p.455), fig.244.
永田樹三[日本産海洋プランクトン検索図説], 1997, p.1164, pl.35, No. 117.
ちなみに、チリモンとしてはあまり見かけないようです↓