ヤリヒオドシエビ

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ヤリヒオドシエビAcanthephyra actifrons Bate, 1888。浮遊性の赤いエビです。
頭胸甲背面のキールは後端まで届き、第1~第6腹節背面もキールを備える。第3~第6腹節のキール末端は棘になり、特に第3腹節の棘は大きい。背甲側面後半部に縦走隆起はない。眼の角膜部は眼柄よりも幅広いなどの特徴によって、近縁種から区別されるそうです。

東シナ海の水深300~700m位から採集されました。体長123mm(でかっ!)。何とNORPACネット(目合0.1mm)で!! このプランクトンネットは小さなカイアシ類を採集するための道具で、普通こんな大きな獲物は入りません。このエビ、何か考え事しながら泳いでいたのでしょうか? うっかり入ってしまったんでしょうね。

「大西洋、インド洋から太平洋北西部の水深700-2400mに分布」とあります。タイプ産地はインドネシアのアル諸島近海、水深1463mとのこと。日本近海ではそんなに多くない種類だそうです

○主な掲載図鑑など:
林 健一[日本産エビ類の分類と生態(40)], 1988, p.120, fig.144a.
林 健一[日本産海洋プランクトン検索図説], 1997, p.1239, pl.18, no.52.
林 健一[日本産エビ類の分類と生態, II(1)], 2007, p.21, fig.6a.


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2013.9.15加筆

このエビに関する論文が出ました!


<引用文献>
齋藤暢宏・西内 耕.2013.プランクトンとして採集された不運なエビ,ヤリヒオドシエビ.Cancer, 22: 9-11.