Lowry & Dempsey (2006)という論文にで、オオグソクムシ類の総説が書かれています。
論文自体は入手していましたが、よく読んでいなくて、、、 しかも自宅だし。
Netって便利ですね。Pdfが入手できましたよ!
この論文の検索表を和訳しておきます。ちなみに2016年に2新種が発表されているようですが、その知見は含まれていません。あしからず。
(B.maxeyorum Shipley, Brooks & Bruce, 2016、B. kominatoensis Kato & Tokita, 2016 †:化石種)
1. 腹尾節後縁棘数 7 ・・・・・・・ 2
— 腹尾節後縁棘数 9 ・・・・・・・ 5
— 腹尾節後縁棘数 11 or 13 ・・・・ 13
2. 腹尾節後縁中央棘はシンプル ・・・ 3
— 腹尾節後縁中央棘は二叉 ・・・・・ 4
— 尾肢外肢の刺毛列は短い(62~65%) ・・・・・・・・・ B. immanis
4. 尾肢外肢の刺毛列は中くらいの長さ (77~78%) ・・・ B. decemspinosus
— 尾肢外肢の刺毛列は連続 (85~94%) ・・・・・・・・ B. kapala
5. 腹尾節後縁中央棘は二叉 ・・・・・・ 6
— 腹尾節後縁中央棘はシンプル ・・・・・ 8
6. 眼の上の陵(Ridge)は連続 ・・・・・ B. bruscai
— 眼の上の陵は不連続 ・・・・・・・・・ 7
7. 尾肢内肢側縁はわずかに湾曲する ・・・ B. kapala
— 尾肢内肢側縁は直線的 ・・・・・・・・ B. pelor
8. 腹尾節は幅広 ・・・・・・・・・・・・ 9
— 腹尾節長は幅と等長かわずかに長い ・・・ 12
9. 尾肢外肢の刺毛列は中くらいか連続(>65%) ・・・ 10
— 尾肢外肢の刺毛列は短い (54~56%) ・・・ B. brucei
10. 腹尾節後縁棘は上向きに湾曲する ・・・ B. lowryi
— 腹尾節後縁棘は直線的 ・・・・・・・・・ 11
11. Clypeus の側縁は凸状で、先端は幅広く丸い ・・・・・ B. obtusus
— Clypeus の側縁は凹状で、先端は狭まり丸い ・・・・・ B. miyarei
12. 尾肢は腹尾節末端を越える;尾肢内肢側縁先端は二叉 ・・・ B. affinis
13. 腹尾節後縁棘は上向きに湾曲する ・・・・・・・ B. kensleyi
— 腹尾節後縁棘は直線的 ・・・・・・・・・・・・・ 14
14. 尾肢内肢側縁先端は強く突出する ・・・・・・・ B. richeri
— 尾肢内肢側縁先端は強く突出しない ・・・・・・・ 15
15. 尾肢外肢側縁先端はわずかに突出する ・・・・・ 16
— 尾肢外肢側縁先端は突出しない ・・・・・・・・・ 17
16. Clypeusの側縁は凹状 ・・・・・・・・・・・・ B. keablei
17. 腹尾節後縁棘数は 13 ・・・・・・・・・・・・ Bathynomus sp.
— 腹尾節後縁棘数は 11 ・・・・・・・・・・・・・ B. crosnieri
この論文で6新種が記載されていますが、その学名がすべて研究者のお名前に献名されているのは、ちょっと興味深いかも。
平成18年に千葉県立中央博物館の企画展で、Bathynomus propinquusRichardson, 1910に「コウテイグソクムシ」という和名が提唱されましたが、どうやらこの学名は無効名(っていうのかな? “nomen dubium”)のようです。
< 文 献 >
Lowry, J.K. & Dempsey, K. 2006. Thegiant deep-sea scavenger genus Bathynomus(Crustacea, Isopoda, Cirolanidae) in the Indo-West Pacific. In Richer De Forges, B. & Justine, J.-L.(eds). Tropical Deep-Sea Benthos, volume 24. Mémoires du Muséum nationald’Histoire naturelle, 193, 163–192.