珍しいアミ

イメージ 1

Nob!!は特に強いレアもの嗜好ではないと思っていますが、それでも珍しい種類に出会えば、やはり心トキメキます。

仕事で、プランクトン分析していても、たまのレアものとの出会いは、やはりこの業界での醍醐味のひとつですね。


○●○・ ・○●○・ ・○●○・

この写真、Caesaromysis hispida Ortmann, 1893というアミの1種です。和名はないようです。

「世界的に分布し、外洋域の水深200~500mの中・深層に棲む浮遊性種」とあります。この標本は東北地方の太平洋沖合の500mくらいから採集されたものです。

体がずんぐりしていて、眼の角膜部が前後に分かれ、額角先端に1本、側縁に3対の長い針状の突起を備える、といった特徴があります。

一見、「なにかのメガロパ?」って感じですが、尾節付け根の両側にレンズのような光る部位があり、これがアミ類の特徴なんです。尾肢内肢の平衡胞といいます。

体長はオス:7.2~8.2mm、メス:6.3~8.1mm。
写真の標本は甲長(眼の付け根から背甲中央後縁)を測定しました。雌雄は確認しませんでしたが、メスのような気がします。




[参考文献]
1)Murano, M. 1977. Mysidacea from the Central and Western Pacific IV. Genera Euchaetomera, Euchaetomeropsis, Arachnomysis, Caesaromysis, Echinomysis, Meterythrops and Nipponerythrops. (tribe Erythropini). Publications of the Seto Marine Biological Laboratory, 24(1/3): 141-192.
2)村野正昭.1997.アミ目.In千原光雄・村野正昭編,日本産海洋プランクトン検索図説.pp.xiv, 1010-1084.東海大学出版会,東京.