オオシカクミジンコ:相模川の近底層プランクトン(つづき)

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 ジュニアととってきたプランクトンを調べました。
http://blogs.yahoo.co.jp/yevicanidaisuki/15024663.html

 河川本川からミジンコがとれたというのがちょっとした驚きでした。けっこう採れましたよ(^_^)v

 マルミジンコ科は、好きなグループではあるのですが、ミジンコとしてはちょっと難易度が高く、難しいという先入観で敬遠気味でした。が、もういい歳なので好き嫌いばかりもいっていられないので調べてみました。

 このミジンコの特徴、以下のとおり;
●体長0.81mm。
●背甲腹縁後端「後腹隅」は円く、刻歯を欠く。
●後腹部の背縁と腹縁はほぼ平行。膨脹部などはない。
●後腹部の背縁に肛刺列と側剛毛群(櫛毛群)を持つ。肛刺は15対。
●尾爪基部に大きい基刺があり、その背側基部に4小刺を備える。

下の写真、ミジンコのシッポのような部位を「後腹部」といいます。後腹部は基部で体に対して屈曲してますので、写真の上縁が腹側、下縁が背側です。解説の文章のイメージと、実際の生き物のイメージが反転していますが、こういう生き物ですので、ミジンコのイメージを頭に浮かべながら、図鑑の解説がよめるようなトレーニングも必用だと思います。

調べていくと、
オオシカクミジンコAlona affinis (Leydig, 1860) と同定されました。


図鑑によりますと「主として涸沼沿岸の水草群落中に生息し、時に開水面に出る。浅い溜池にも出現する。単周期生殖で、雄は晩秋に出現する。日本各地に分布し、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ大陸にもいる世界種。」とされます。

○主な掲載図鑑など:
水野寿彦[日本淡水プランクトン図鑑], 1964, p.86, pl.29, No.8.
上野益三[日本淡水生物学], 1973, p.427, fig.20-42, 1, 20-43, 7-8.
堵 南山・水野寿彦[中国/日本淡水産枝角類総説], 1982, p.168, fig.141.
水野寿彦[日本淡水動物プランクトン検索図説], 1991, p. 167, No.56.
田中正明[日本淡水産動植物プランクトン図鑑], 2002, p.230, pl.107, No.1-3, p.245, Topics 6, No.17.




近底層とか、水草付着性のミジンコって、まだまだ穴場らしいですよ!


[参考文献]
1)関 久美子・大高明史・田中 晋.2008.青森県・屏風山湖沼群のミジンコ相.陸水学会誌,69:121-131.