ノコバウミノミ:続チリモンことはじめ(その3)

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 チリモンとして良く出て来るクラゲノミのようです。
http://blog.goo.ne.jp/tirimon_osaka/e/c615c63265df6aaf15f1861fca308299

 普通に出現する生き物くらいは種類が知りたいので調べました。
 この種の特徴、以下のようです;
●頭部は巨大な複眼で占められる。
●第2触角は「折れ尺」様に折りたたまれて、頭部腹面に収納される。
●第5・第6胸脚基節は拡張しているが、体腹面の蓋にはなっていない。
●第7胸脚は全節が揃い、退化していない。
●全尾肢の内・外肢は柄部と分離する。
●第1胸脚腕節背面前縁が前方に大きく張りだす。
 この特徴を図鑑で追っていくと...

 ノコバウミノミBrachyscelus crusculum Bate, 1861という種類でした。
 写真(上)の目盛は1mmです。これら5個体は、体長5.6~7.0mmでした。
 下の写真3点は、特徴のある胸脚を写しました。欠損もありますが、それでも第1胸脚の形態は、図鑑の図に良く一致します。

 図鑑によれば:暖海性で三大洋に広く分布。日本近海では40°N以南の黒潮流域に出現。主として0-400m層に生息。21mm。
 とあるので、これらチリモンはまだまだお子さまのようです。


○主な掲載図鑑など:
入江春彦[新日本動物図鑑(中)], 1965, p.577, No.846.
山路 勇[日本海プランクトン図鑑], 1966, p.400, pl.124, No.3.
Vinogradov, et al. [Hyperiid Amphipods of the World Ocean], 1996, p.489(原露著p.396), fig.213.
永田樹三[日本産海洋プランクトン検索図説], 1997, p.1157, pl.30, No. 91.





[参考文献]
1)永田樹三.1997.端脚目.In千原光雄・村野正昭編,日本産海岸プランクトン検索図説,pp.xv, 1131-1203.東海大学出版会,東京.