オキアミと卵

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ツノテナガオキアミNematoscelis microps G.O.Sars, 1883 のメスです。

ちなみに、
●主な掲載図鑑等;
中井甚二郎・本城康至[原色動物大図鑑(検法, 1961, p. 117, pl.58, No.2.
小牧勇蔵[新日本動物図鑑(中)], 1965, p.589, No.885.
山路 勇[日本海プランクトン図鑑], 1966, p.411, pl.127, No.5.
武田正倫[原色甲殻類検索図鑑], 1982, p.231, No.684.
澤本彰三[日本産海洋プランクトン検索図説], 1997, p.1210, pl. 10, no. 25.


相変わらずのブーな写真で申しわけありませんが...

オキアミ類は海産浮遊性の小型甲殻類で、多くの種類は海中に卵を放出します。ちょっとした教科書にはそう書かれていると思います。
ですが、
Nyctiphanes 属、Pseudeuphausia 属、Tessarabrachion属、Nematoscelis 属、Nematobrachion 属、Stylocheiron 属の24種では卵塊としてメスが胸部腹面に卵を備えるのです。
ただ、プランクトンネット採集試料では多くの場合卵塊は脱落してしまっています。
そういう意味で、この写真は貴重だったりするのです。長い脚と卵塊が残っている個体って、本当に少ないんですよ。

なお、オキアミ類の産卵数は比較的少なく、放卵型では数百から数千、抱卵型では数十から数百だそうです。



[参考文献]
1)根本敬久.1974.おきあみ類.In丸茂隆三編,海洋プランクトン,海洋学講座10.pp.129-149.東京大学出版会,東京.
2)小達和子.1991.三陸常磐沿岸のツノナシオキアミとその漁業.水産研究叢書40,100 pp.(社)日本水産資源保護協会,東京.