マルオウスムラサキウミノミ

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マルオウスムラサキウミノミAnchylomera blossevillei Milne-Edwards, 1830です。
丸っこい体形と、武骨な第5胸脚がイカします(^_^)v
上がメスで、下がオスです。
この第5脚はあまりにもカッコイイので、あとで写真を追加します。

海洋浮遊性甲殻類です。大きさは11mm程度。
熱帯域から温帯域にかけて広く分布する汎大洋種で、日本近海では黒潮流域に普通に出現し、北限は39°Nとされます。

稚魚などを採集する大型のプランクトンネットで、時に大量に採れます。今回の写真もそういった個体です。
和名のとおり、生鮮時は淡紫色の体が非常にミメウルワシイのですが、ホルマリン固定すると、あっと言う間に脱色してしまいます(写真の通り・(ToT))。Nob!!が学生の時、海洋実習で何度も生きた個体を見ることがあり、実際「普通種」って印象で、写真撮影をしてこなかったのが悔やまれます(このブログそんなのばっか!)。外洋で固定し、実験室に運びこむ頃にはもう色ナシでした。

以前何かの文献で、「カツオの胃内容物として時に大量に出現する」というような文書を読んだ記憶があるのですが、それが何だったのか分かりません。最近結構真剣に捜しましたが、出典不明。心当たりのある方、是非御教示下さい。


○主な掲載図鑑など:
入江春彦[原色動物大図鑑(Ⅳ)], 1961, p.121, pl.60, No. 11.
入江春彦[新日本動物図鑑(中)], 1965, p.575, No.838.
山路 勇[日本海プランクトン図鑑], 1966, p.395, pl.123, No.4.
Vinogradov, et al. [Hyperiid Amphipods of the World Ocean], 1996, p.433(原露著p.351), fig.188.
永田樹三[日本産海洋プランクトン検索図説], 1997, p.1153, pl.28, No. 80.