日本産ウオジラミ類リスト

Nob!!が20年間、待ちに待った論文が出ました。こういう論文を心の底からまっていました。
日本産ウオジラミ属カイアシ類を目録にまとめ、最新の学名に置きかえられています。
この目録によって、日本近海から33種のウオジラミが報告されていたことが分かりました。1海域で33種というのはかなり多様性が高いそうです。
このうち29種に和名が新称され、3種で和名が改称されています。
Nob!!もウオジラミ大好きで、学生の頃から文献収集していますが、まだまだです。この目録で、何がたりないのか調べることが出来ます。大助かりです。
ただ、この目録は文字情報のみの集積で、各種の形態的な違いについては触れられていません。各種の記載を集めて、Nob!!なりに図鑑をつくってみたいと思います。

宿主魚類については、各ウオジラミの解説に記述されているだけだったので、論文中から拾って一覧にしてみました。

http://blogs.yahoo.co.jp/yevicanidaisuki/28328569.html

種の特定できてないものもありますが、65の魚が宿主として知られていました。
このうち、サバ科魚類の水産有用種では、1魚種に複数種のウオジラミが寄生することが分かりましたが、これはこれらの魚では研究が進んでいるからなのかも知れません。
魚種に対する寄生虫の関心も高いし、魚種自体の入手も比較的容易だし...

逆に、1魚種-1ウオジラミの組み合わせが多々みられ、寄生虫の宿主特異性が高いようにも見えますが、わずか1回の報告だけしかない場合、こういった組み合わせとなってしまいます。ある本で、「見かけの宿主特異性」なんて言われていました。

魚類寄生虫の中では研究の進んだグループでせが、まだまだこれからの知見の蓄積を待って、宿主-寄生虫関係を論議して行かなくてはならないのかもしれません。
そういった足がけとしても、重要な論文となるのだと思います。

(生意気なこと書きすぎたかな?)



ウオジラミって何って方はこちら(↓)
http://blogs.yahoo.co.jp/yevicanidaisuki/9373361.html





[参考文献]
長澤和也・上野大輔・Danny Tang.2010.日本産魚類に寄生するウオジラミ属カイアシ類の目録(1927-2010年).日本生物地理学会会報,65:103-122.