タイラギカクレエビ

知人から「タイラギカクレエビ」について質問をうけました。

ググってみると、312件がヒットしました。


なんでも、昨年9月に韓国でははじめて見つかったそうです。
たとえば↓↓↓
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2010092801



「タイラギカクレエビ」って名前は学研の図鑑ではじめてつけられたのですが、この件でちょっと調べておきたいと思います。

この和名が与えられたのは、Anchistus custos (Forskal, 1775)という種類です。
でもこの種は、海洋と生物に連載される「日本産エビ類の分類と生態」では「スベスベカクレエビ」という和名になっているようです。該当ページ(海洋と生物の連載123, 2002)を確認します。

林(2002:連載123)を読むと、Fujino & Miyake (1967)ではAnchistus custoides Bruce, 1977 カイカクレエビをAnchistus custos (Forskal, 1775)として報告していて、かって図鑑[文献163]にカヒカクレエビという和名で紹介されていたそうです。
学研の図鑑でタイラギカクレエビとしてAnchistus custosを掲載したのも三宅先生なので、学研の「タイラギカクレエビ」は「カイカクレエビ」で「Anchistus custoides」ということだと思います。ややこしいです。
韓国の記録はAnchistus custoidesについてなのでしょうか? 



林先生の連載には、宿主とカクレエビの一覧表も掲載されていたので、タイラギと共生する種類も拾ってみます。

タイラギから知られる日本産カクレエビ類はカクレエビConchodytes nipponensis (De Haan, 1844) のみで、カイカクレエビとスベスベカクレエビはクロタイラギから報告されています(林, 2006:連載149)。
???学研の解説と異なりますね。韓国での記録はカクレエビなのかな? 記述にあった分布もカクレエビの知見に合致していました。

ちなみに「カクレエビ」はこちら(↓)
http://blogs.yahoo.co.jp/yevicanidaisuki/6089780.html


カクレエビもスベスベカクレエビ属も、
体型はずんぐりしていて、体表は平滑で、互いによく似たエビだそうです。
スベスベカクレエビ属は触角鱗の外側先端にある棘が葉状部先端を超えないことで区別できるとのこと。




どなたか「タイラギカクレエビ」の正体を教えてください!!