はじめてのグソクムシ(嬉!)

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グソクムシ1種、Aegapheles japonica (Bruce, 2004) です。和名はまだないと思います。【ヤマトグソクムシ命名されました(布村・下村, 2020)】
みしゃわ様から頂きました。初めての標本ですので、大感激です(また小三郎Jrさんに笑われてしまいますが...)
 
左右の眼が癒合傾向にあり、腹尾節後端がとがります。
このタイプのグソクムシは、これまでメナガグソクムシAega antillensis Schioedte & Meinert, 1879 として図鑑などで紹介されてきましたが、最近の研究により日本産の種類はこのA. japonicaAegapheles excisa (Richardson, 1910)2種とされています。新日本動物図鑑(中)にA. antillensisとして紹介されているものは、A. excisaの可能性が示唆されていますので(Bruce, 2004)、和名「メナガグソクムシ」はA. excisaが継承するべきと考えます。
 なので、A. japonicaは和名なしとなるのです(もちろんNob!!が知らないだけということもあります)。
 
イシナギという魚の体表についていたそうです。どれくらいの大きさでしたでしょうか? 漁法は釣りですよね?
Nob!!は魚に疎いため(この魚知りませんでした)、社内の釣りキチH君に教えてもらったところ、ふつうは数100mに生息すること、この時期だけ浅場に上がってくるので、旬であること、駿河湾にも分布するが、ポイントが明確なのは勝浦であること、2種類いるが、勝浦ならおそらくオオクチイシナギであること、自分もいま注目していることを教えていただきました。いやぁ~ 助かります。
 
みやわ様からは、去年のイシナギにもついていたということを教えていただいたので、この海域では結構とれるのかもしれません。情報お持ちの方、是非ご教示を!
ちなみに、A. japonicaのタイプ産地は函館湾だそうです。
 
 
みしゃわ様、本ブログに間違いなどあったらご指摘ください。また、情報のリクエストあったら遠慮なくどーぞ。新たな情報得られましたら、記事を加筆いたします。
 
 
 
 
[参考文献]
Bruce, N. L. (2004) Reassessment of the isopod crustacean Aega deshaysiana (Milne Edwards, 1840) (Cymothoida: Aegidae): a world-wide complex of 21 species. Zoological Journal of the Linnean Society 142: 135-232.
布村昇・下村通誉,2020.日本産等脚目甲殻類の分類(63)ウオノエ亜目⑨ウオノエ上科④グソクムシ科②.海洋と生物, 248: 267–274.