メダマイカリムシPhrixocephalus triangulus Wilson C.B., 1917という寄生性カイアシ類がいます。Googleで検索すると、約725件がヒットしました(2014.10.1)。
魚の眼に寄生する、非常にショッキングな生き物です。写真の左半分のつるんとした小豆様の部分は魚の眼から露出していて、右側半分の木の根っこのような部分が眼の内部に埋没しています。
(お写真は小三郎jrさんによるものです。宿主はヤリヌメリの眼。ただし本当に本種かどうかは検証が必要!)
『新日本動物図鑑(中)』では、11行にわたる本種の解説があり、そのうち9行は形態の説明です。ですが、実際どの形質がキーなのかNob!!にはよく分かりません。(側突起の分岐の様式でしょうか?)
ネットで“メダマイカリムシ”を検索するとさまざまなサイトがヒットしますが、正直全部が本種ではないようです。
ハゼ類に寄生するシンノカンザシCardiodectes shini Uyeno, 2013やCardiodectes asper Uyeno & Nagasawa, 2010(和名無し)などもいっしょくたのようです。
(シンノカンザシの記載論文は持っていないので、あとで著者に請求しようと思います)
ちなみにCardiodectes属は16種が知られているようですが(WoRMSによる)、うち、7種は日本人により記載された種のようです。
ただし、日本人によって記載された種すべてが日本産かどうかは、情報不足です。なお、メダマイカリムシは海外の研究者による種です。
先日うかがった目黒寄生虫館にはアカアマダイに寄生する標本が展示してありました。メモとってきませんでしたが、たしか1967年採集ではなかったかなと思います(タクヤさんどうでしたっけ?) ちなみに近縁種のキアマダイ(尾鷲沖)からはP. vipereus Shiino, 1956という近縁種が知られています。
Cardiodectes属やPhrixocephalus属が所属するペンネラ科(シフォノストーム目)は20属が知られています。この中にはサンマヒジキムシPennella sp.なども含まれております。なお、Pennella属は同定が難しく、サンマヒジキムシがなんという種に該当するかは結論が出せないというようなことを、長澤先生が何かに書いていました。(しかしその出典を忘れました。海洋と生物だったかな?)
この仲間、非常に興味をそそられますが、はっきり言ってぜんぜん勉強していません。なので、この文章も、何も知らんモンがあーだらこーだら書いただけのものです。もう少し勉強して、加筆修正したら、Uyeno博士にご意見伺ってみたいと思うのでした、、、(汗)
情報収集したいので、みな様よろしくおねがいいたします。
【引用文献】
Shiino, S. M. 1956c. Copepods parasitic on Japanese Fishes 11.Genus Phrixocephalus. Report of the Faculty of Fisheries, Prefectural University of Mie, 2(2): 242-268, 14 figs., 1 plate.