ガヤ(ヒドロ虫)からみつかったアミの論文

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伊豆大島ネイチャーガイドさんが、自身のフィールで発見した、ガヤ(ヒドロ虫)に着くアミについて、研究論文として発表されました(Saito et.al., 2018)。


この発見は、アミ類がヒドロ虫類と共生する、世界で初めての記録になるそうです。


アミは Pleurerythrops secundus Murano, 1970という種類で、駿河湾から初めて発見され(Murano, 1970)、このほか、有明海大村湾東シナ海からの報告があるそうです(Murano,1981)。今回の伊豆大島からの発見は分布東域の更新にあたります。


 また、これまで記録された分布水深は28-240 mなので、この論文の調査水深(15-30 m)は、かなり浅い記録となります。


 
発見されたのは、シロガヤAglaophenia whiteleggei Bale, 1888、ドングリガヤGymnangium hians (Busk, 1852)、ツツガヤDentitheca hertwigi (Stechow, 1909)、スダレガヤPlumularia habereri Stechow, 1909、その他未同定ヒドロ虫からで、調査フィールド約6800 m2の範囲内23か所のガヤの群落から、47日観察されたと記されています。(調査は20153月から20178月まで)



ですが、驚異的なのはこのガイドさんの観察の濃さで、Table 1に調査期間中の月当りの調査日数が記されていますが、まさに半端ない日数です。


キューバダイビングに普及によって、これまで漸深海帯に生息すると思われていた海洋生物が、実はもっと浅いところで確認されたり、標本の記録しかなく、よくわからなかった生態がわかったり、生時の色彩がわかったりするのは、大変有意義なことと思います。



また、この論文では、既知の(サンゴを除く)刺胞動物共生性アミ類について取りまとめられていて、この表と考察も大変勉強になります。



 


<文献>
Saito, N., Hoshino, O. & Fukuoka,K.,  2018.  First record of Pleurerythrops secundus (Crustacea, Mysida) in association withbenthic hydroids (Cnidaria, Hydrozoa) in shallow waters of Izu-Ohshima, Pacificcoast of central Japan.  CrustaceanResearch, 47: 137–143.


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