ミナミクモガニ 【甲殻類備忘録2】

甲殻類備忘録2
 
ダイバーさんの間で“オランウータンクラブ”と呼ばれるカニがいます。
ほかの図鑑では“クモガニ属の1種”として紹介されているそうです。
割と広い範囲で見られるカニのようですが、このうち八丈島産の標本について分類学的検討がなされました(武田ほか, 2016)。
 

八丈島産の標本は、甲の形態からも、雄の第1腹肢(交尾器)からも、ミナミクモガニOncinopusneptunus Adams & White, 1848に同定されました。

 
 
オランウータンクラブという俗称のとおり、体は軟毛で覆われているのですが、これ個体差が大きいそうです。それもそのはず、この論文で確認されたのですが、
 この軟毛、ユレモ属のラン藻だったそうです。そうなると、モクズガニとかケフサイソガニなどの軟毛も気になりますね。
 
(あとでちょっとだけ加筆します)
 
 
 
<引用文献>
武田正倫・加藤昌一・北山太樹.2016.“オランウータンクラブ”の正体.海洋と生物,225458-463