オキアミの2種

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 オキアミシリーズ第2弾です。お気に入りのオキアミ2種を紹介します。
 第1段はこちら: http://blogs.yahoo.co.jp/yevicanidaisuki/14865714.html


●Tessarabrachion oculatum Hansen, 1911(テッサブラキオン・オキュラータム)、和名はありません。
 第2・第3胸脚(胸肢内肢)計4本の脚が著しく伸長した、かなり特異な形態の種類です。図鑑ではじめてみたときから夢中で、いつか実物みてみたいと思っていたんです。そしたら、ここ数年手掛けている仕事で、結構みることが出来ました(ラッキィー!)。頻繁にみていると飽きが来るかと思っていたら、とんでも無い! みる度ときめきます(^_^)v
 オキアミ類は、何番目の脚が長いかが属の特徴で、以下のような組合せとなります;
 ・第2胸脚が伸長・・・・Nematoscelis属、Thysanoessa属
 ・第3胸脚が伸長・・・・Nematobrachion属、Stylocheiron属
 ・第2・第3胸脚が伸長・・・・Tessarabrachion属

 これらの長い脚って、脆くてすぐもげてしまいます。完全な個体などほとんどみれる機会がありません。ところがこのT. oculatumの伸長した4本の脚はけっこう強じんで、欠損することがほとんどありません。ほかの属は、長い脚がもげてしまうのもだから、何番目の脚がもげているかで属を調べています。なんかちょとマヌケ(微笑)

○主な掲載図鑑:
小牧勇蔵[新日本動物図鑑(中)], 1965, p.588, No.882.
山路 勇[日本海プランクトン図鑑], 1966, p.413, pl.127, No.13.
澤本彰三[日本産海洋プランクトン検索図説], 1997, p.1209, pl. 4, no. 22.


●Thysanoessa inermis (Krøyer, 1846)(チサノエッサ・イネルミス)。こちらも和名なし。
 大型のオキアミです。レアな種類だと思っていたのですが、ちょっと前の仕事で大量に出現しました。メスは均整のとれたエビ相、オスは第1触角柄部に複雑な刺毛束を備えます。
 Thysanoessaの特徴に、第2胸脚が身長し、眼が上下に分かれるというのがあるのですが、本種T. inermisは胸脚に伸長したものがなく、眼も上下に分かれずほぼ球形です。ン(?)なんじゃそりゃ?? はじめてみたときにはThysanoessa属とは思えませんでした。

○主な掲載図鑑:
小牧勇蔵[新日本動物図鑑(中)], 1965, p.587, No.878.
山路 勇[日本海プランクトン図鑑], 1966, p.406, pl.125, No.11.
澤本彰三[日本産海洋プランクトン検索図説], 1997, p.1209, pl. 9, no. 21.