水族寄生虫学

ノドクロのエ(なんちって)【バリューセット報告その1】

先日、“名前の言えないM様@陽気なブォルデモート卿”から、「魅惑の深海寄生虫バァリューセット!」いただきました(2015/1/20(火))。M様、感謝です。 http://blogs.yahoo.co.jp/yevicanidaisuki/34253714.html このセットは、熊野灘産等脚類詰め合わせで、5…

今年もウオノエ!

謹賀新年 皆様、2015年正月、いかがお過ごしでしょうか。当方、元旦には若干顕微鏡作業を行ったものの、この寒さで心折れました(現実的に指先が思うようにうごきませぬ)。本日は、日ごろモンモンとしている、ウオノエへの胸の内を打ち明けたいと存じ…

メダマイカリムシについて

メダマイカリムシPhrixocephalus triangulus Wilson C.B., 1917という寄生性カイアシ類がいます。Googleで検索すると、約725件がヒットしました(2014.10.1)。 魚の眼に寄生する、非常にショッキングな生き物です。写真の左半分のつるんとした小豆様の部分…

王英ミジンコ

今日、王英さんから、サンゴに着く珍しいカイアシ類(ハルパクチクス目)を見せていただきました。ベリーさんくすデス! (詳細は後ほど) ということで、皆さん、メリークリスマス!! ということで、写真をup。こういうカイアシ類でした。体長0.4mmです…

エラヌシ属ウオノエ類

オキザヨリTylosurus crocodilus crocodilusから得られたエラヌシ属Mothocya Hope, 1851(等脚目・ウオノエ科)です。小三郎Jr.さんからいただきました。 雌の育房が見事です! まさに太鼓っぱら!! 横から見た姿はなんか滑稽ですよね。この愛らしさがたま…

マグロエラブタジラミ

マグロエラブタジラミEuryphorus nordmannii Milne Edwards, 1840です。メスの背面全形ですが、実は生殖節の腹側にオスがしがみついています。交尾前ガードなんですかね? このカイアシ、ぱないデスよ! 図鑑や文献でこのフォルムみていて、いつか実物みたい…

トウヨウウオジラミ

トウヨウウオジラミCaligus orientalis Gusev, 19511と思います。雄です。(腹側) 小三郎Jr.さんからいただきました。四日市港産のボラから得られたそうです。漁船に飛び込んできた魚だそうです。 冷凍サンプルでいただき、解凍時は斑点が分布していたり、…

アカホシカクレノコシヤドリ

Hossyさんから、興味深いエビの標本を送って頂きました。 アカホシカクレエビAncylomenes speciosus (Okuno, 2004)です。シマキッカイソギンチャクなどの刺胞動物と共生します。 共生エビで、しかも色彩鮮やかだから興味深いかというと、そうではなくて、第…

はじめてのグソクムシ(嬉!)

グソクムシの1種、Aegapheles japonica (Bruce, 2004) です。和名はまだないと思います。【ヤマトグソクムシと命名されました(布村・下村, 2020)】 みしゃわ様から頂きました。初めての標本ですので、大感激です(また小三郎Jrさんに笑われてしまいます…

鯛之餌

タイノエCeratothoa verrucosa (Schioedte & Meinert, 1883)です。 長い間ほしかったウオノエ類の1種です。大変メジャーなウオノエなのですが、なぜか御縁がなくて、、、 このたび、懇意にさいていただいている水中カメランの方からのご厚意で、この標本をい…

WoRMS ウオノエ

ウェブ上のデータベースWoRMS(World Register of Marine Species)から、ウオノエ科の情報を抜き書きしました。 <<自分用メモです>> Species 1. Genus Aegathoa Dana, 1853······································· 2 2. Genus Agarna Schioedte & Mein…

クサフグウミチョウ

魚類寄生性甲殻類、クサフグウミチョウArgulus kusafugu Yamaguti & Yamasu, 1959です。 1959年に愛知県新舞子(東京大学農学部附属水産実験所)で報告された種類で、この度、瀬戸内海の香川県丸亀市小手島沖と愛媛県宇和島沖から発見され,本種の約50年ぶ…

オナモミツブムシ

魚類寄生性カイアシ類、オナモミツブムシChondracanthus zei Delaroche, 1811です。 マトウダイの鰓耙に寄生する1cm未満の小さな甲殻類です。 ヨーロッパ南西部以北の大西洋、アフリカ西岸、地中海、およびアドレア海に分布する種類ですが、日本からも知ら…

コブカニダマシのフクロムシ

いやはや、カレンダーも最後のページになっちゃいました。(トホホ・・・) -・●・-・-・-・●・-・-・-・●・-・-・-・●・- 小三郎Jrさんが撮影された写真を掲載させていただきました。標本は手元にあります(↓) http://blogs.yahoo.co.jp/yevic…

もぉいくつ寝るとぉ~

来週の土日(10/22-23)は「日本甲殻類学会第49回大会(学会創立50周年記念大会)」です。 興味深いテーマ目白押しです。Nob!!も出席です。 詳しくは、学会のHPにプログラムがupされているので、そちらをご覧下さい。 http://wwwsoc.nii.ac.jp/csj4/ (た…

ミクロニスクス:ヤドリムシの仔(その2)

ヤドリムシ類の幼生期、ミクロニスクス期micronisciumです。プランクトンとして採集しました。クリプトニスクス期cryptonisciumほどではありませんが、気をつけていると、結構みかけます。クリプトニスクス期の前のステージで、卵からのふ化幼生のエピカリデ…

めざせ! ヤドリムシ・マスター

練習用のエビノハラヤドリですHemiarthrus abdominalis (Krøyer, 1840です。 先週撮った写真の出来がぶーだったので(↓)、今日、撮りなおしました。 http://blogs.yahoo.co.jp/yevicanidaisuki/29344192.html まぁまぁの出来でしょ。 これからおいおい解剖…

色違いゲットだぜ!

ホヤノシラミPachypygus gibber (Thorell, 1859)というカイアシ類と思います。 ひさしぶりに見ました。 コロっとしていて、非常に愛くるしいです。 今回3個体見ました。 学生のとき、これが見たくて、大学近くの海岸でシロボヤを採りまくりました。何個体か…

やる気を見せねば!

昨日に引き続き、ヤドリムシ解剖練習の意欲を示しておこうと思います。 やるきマンマンですよぉ~! ご安心くださいMS博士!! って、別に心配されてないか。どちらかといえば自分に暗示をかけるためのページっすね。 この図は、Richardson(1…

あぁ、GW・・・

いよいよ今年もGWまであとわずか! 人によっては10連休とか Nob!!はといえば... 残務処理のため、前半は出勤かな? MS博士に、「GW中にヤドリムシの解剖の練習をします!」ってタンカ切ってしまったけど... ちょっときついかもです。 決意だけは示そ…

イワシノコバン

イワシノコバンNerocila phaiopleura Bleeker, 1875と思います。 Nerocila属はBruce(1987)によって、オーストラリア産の8種について分類学的整理がなされています。 写真の標本は、●第5-第7胸節の基節板は先端が尖り、各胸節より長い、●第7胸脚は第6胸脚と…

ショキタテナガノエラヤドリ

ショキタテナガノエラヤドリProbopyrus iriomotensis Saito, Shokita & Naruse, 2010です。 日本動物分類学会の英文学会誌「Species Diversity」の最新号(vol.15, no.3-4)に掲載された、日本産ヤドリムシ類の新種です。 日本のヤドリムシ類は、椎野季雄博…

こんな賀状はじめてっスよ!!

Hossyさんから年賀状をいただきました。サンクスです。 ・・・・・ これ? ウサギにみえたアナタは心の優しい方かもしれません ・・・・・ これは、Cardiodectes asper Uyeno & Nagasawa, 2010 という寄生性のカイアシ類で、2010年に新種として記載された、…

ウオジラミ宿主リスト

長澤ほか(2010)から、宿主魚類からウオジラミを逆引きするインデックスを造りました。 表は画像となっていて、右下の虫眼鏡をクリックすると拡大して文字が読みやすくなります。 間違いとかあったらゴメンナサイ。気がついた人、ご指摘ください。

日本産ウオジラミ類リスト

Nob!!が20年間、待ちに待った論文が出ました。こういう論文を心の底からまっていました。 日本産ウオジラミ属カイアシ類を目録にまとめ、最新の学名に置きかえられています。 この目録によって、日本近海から33種のウオジラミが報告されていたことが分かりま…

Renさんのアミ

Netで知りあったRenさんのブログからアミの写真を貸していただきました。ありがとうございます。もとのサイトはこちら↓ http://rendive.blog39.fc2.com/blog-entry-850.html Renさんは、西伊豆の黄金崎ビーチを拠点に活動されているダイバーさんのようです…

ちりもんウオノエ(次のテーマ!!)

このコ、シラス調査などで時折目にすることがあり、長い間気になっていました。気になりながらも放置してしまう、おくゆかしいところがNob!!のチャーム・ポイントなんです(ウィーク・ポイント?)。 Nob!!はこれまで、シラス混入物やチリモンとして出現する…

腹部寄生性エビヤドリムシ

文楽亭氏から、「エビの腹部から採ったヤドリムシを見て欲しい」って依頼を受けたので、Nob!!なりに調べてみました。 「あなたのヤドリムシ“Nob!!”」なんて名乗っていますが、実はそんなにヤドリムシに詳しいわけではないのですm(__)m 十脚甲殻類寄生生物で…

エビノコバン

エビノコバンTachaea chinensis Thielemann, 1910です。淡水産ニセウオノエ科等脚類です。 学生のころからずっ~~っと観たかった種類です。今回機会があって、研究をされている先生の御好意で標本を分けていただきました(感激デス!! (^_^)v)。 スジエビ…

これでもミジンコ!? (とっても変わったカイアシ類)

この子らはカイアシ類(ケンミジンコの仲間)です!! 家内にこの写真みせたら、「根っこ?」って解答。なるほど根っこ系カイアシ類ってとこか! 寄生性のカイアシ類には、寄生生活に適応して、体形がかなり奇怪に変型するものが少なくありません。 ここに示…